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連載「ゲンキな田舎!」は、山梨県を拠点に目覚ましい活躍をしているNPO法人・えがおつなげて代表の曽根原久司さんのインタビュー。田舎は宝の山、と云うのは簡単ですが、その生かし方を具現化するのは並大抵のことではありません。曽根原さんは、経営コンサルタントの傍ら、耕作放棄地で育てたトウモロコシを売り、荒れた山の手入れで得た雑木を薪ストーブを持っている別荘族に売ってみて、田舎のポテンシャルの大きさに確信を持ったそうです。
巻頭の話題ページ「縁側タイムス」では、超巨大なムカゴ「宇宙いも」を取材しました。当HP内のブログでも紹介しています。
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ようやく有川浩の『県庁おもてなし課』にたどりつきました。
昨年大きな話題になった、高知県を舞台にした観光恋愛エンターテインメントです。
仕事の資料を読むのに追われ、娯楽本を手にする時間がなかなかありません。
アメリカの地理学者が書いた壮大な文明論『銃・病原菌・鉄』は、出た10年前から気になっていた本ですが、やっとこの正月に読みました。

で、おもてなし課、噂にたがわず面白そうな本です。
で、本を手にとって初めて知ったのですが、作者は男性ではありません。女性です。
ひろしではなく、ひろ、と読むそうです(不勉強だな)。

ほかにどんな作品を書いている人なのだろうと検索していたら、
テレビドラマになった『フリーター、家を買う。』もこの人だそうだ。
書名がとても気になっていた『植物図鑑』もこの人。
(不勉強だな)

で、調べていくうち、参考文献として拙著『仁淀川漁師秘伝』を挙げている作品があるではありませんか。
『空の中』(角川文庫)という本です。
この文庫に収録されている特別書き下ろし『仁淀の神様』がそうらしい。
さっそく買ってみました。
ひょっとして、亡くなった川漁師の弥太さんの御身内なのではないか、と真剣に思ったほど、最期の頃の描写が似ていました。
本編『空の中』を読むと、ここでも川漁師さんが存在感ある存在としてストーリーの脇を固めています。

・・・と、ここまで書いて気付いたのですが、この話題は「新着情報」用ではなく、ブログ「B級田園生活日記」用でした。
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私が所属するNPO法人エコツーリズムセンター発行のブックレット第2弾です。
昨年の震災と福島第一原発の事故。自然教育に関わる福島のメンバーの案内で、現地を歩き、惨状の一端を直接自分たちで確かめ、被災者や住民の生々しい声を聞きました。
そして、これから私たちにできることはなんなのだろうと考えました。
マスメディアにはおそらく乗ることのないであろう、個々の視点、忌憚のない意見を報告集という形で編集しました。
とりわけ読んでいただきたいのは、外には毒があると教えられ自由に遊べない福島の子供たちの現状です。
62ページ、500円。
★お問い合わせ desk@ecotourism-center.jp
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4年ぶりに新刊を出しました。『はたらく刃物~素材と道具、そして職人仕事の博物誌~』というタイトルです。B5判のムックで刊行はmonoマガジンでおなじみのワールドフォトプレス社(価格1714円+税)。
初出は同社の『ナイフマガジン』という雑誌に連載した同名の職人探訪記ですが、従来の職人取材とは視点が大きく異なり、今回の主役は日本の職人たちが手の延長として使いこなしている「刃物」です。

その刃物は、なぜその形でなければならないのか、どのように使うのかを、作る製品の役割や加工対象の木、竹、石、革、鉄、魚、獣の素材特性、また、ときには歴史や民俗史などもからめながら、多角的に切り込んでみました。

取材を続けてあらためて感じたのは、日本の職人仕事の深みです。北海道の鮭漁師が腰に下げているマキリという小刀には、アイヌ文化のDNAが今なお生きています。漆掻き職人の使うメサシという刃物には、人間でいえばリンパ液に相当する貴重な漆液を、一滴も逃すまいとする執念のような知恵が盛り込まれてします。一塊の材木を凸凹に切り分ければ作れるように思われがちな桐下駄にも、じつは快適さ、歩きやすさを追究した人間工学的工夫が随所にみられます。
丹波篠山の猪肉専門店で使われている皮むき用の刃物が、欧米のハンターが使う皮むきナイフと形状がまったく異なる理由。そして、それら特殊な刃物を絵筆のように扱う熟練職人の驚嘆すべき解体技術。熊野川の船大工の道具からは、木造船の設計は建築よりも洋服の仕立てに近く、鑿(のみ)と釘は縫い針と糸のような関係であることを教えられました。

刃物愛好家向けの雑誌の連載をまとめたものなので、一部、わかりにくい業界用語や符牒めいた言い回しもありますが、いずれも少し前までの日本では多くの人に理解しえた言葉だと判断し、あえてそのままにしています。

取材を続けて見えてきたことがもうひとつあります。
これらの職人が受け継いできた技術と現代社会との乖離です。
刃物を危険なものと位置づけて子供たちから遠ざける風潮は、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件以来、もう半世紀も続いています。並行する形で世の中の仕組みも変わりました。今は毎日の食事すら、魚や野菜を包丁で切って作る必要がありません。高度な“外注社会”は、人間が人間である証でもある「手」を退化させ、労働や経済までも無機的で冷たいものにしているように見えます。

長野県には、あえて子供たちに刃物を使わせようと、入学すると全員に肥後守をプレゼントする小学校があります。その学校には鉛筆削り器がありません。かわりに、水飲み場に砥石が置いてあります。鉛筆を刃物で削り、切れが落ちれば自分で研ぐのです。
しかし、それは非常に希な例です。一部の大学には中学校の技術科教員を目指す教職コースがありますが、そこを選んで来る学生の指先さえ、今は肥後守を使っている小学生たち以下です。でも、それは彼ら彼女たちが悪いのではなく、暮らしの中から刃物を遠ざけてきた家庭やコミュニティの責任です。
そんなルポをまじえ、本書の後半では刃物教育の重要性についても多くの紙数を割いています。

もうひとつ、注目していただきたいのは、かれこれ20年近く一緒に職人仕事の現場を歩いている大橋弘さんの迫力あふれる写真。道具にフォーカスしながらも、その土地の匂いから現場の空気感、職人の息づかいまで、みごとに写し込んでくれました。

書店で出会った折りは、ぜひ手に取ってみてください。
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