●緑陰風車が考える「情報のチカラ」

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緑蔭風車代表のかくまつとむは、自然に則した暮らしや余暇、農林水産業、伝統文化やものづくりの分野を中心に取材や提言活動を続けてきました。

一貫して追いかけてきたテーマは「不易」。つまり、変わらないこと、持続可能性です。

今の日本社会は、経済、産業、労働、地域、教育など、さまざまな場において制度疲労を起こしており、誰もが納得しうる新たな「幸福の方程式」が求められています。

こうした課題を解決するヒントは、あんがい、先人たちの「ちょっと昔の暮らし」の中にあるのではないかと考えます。

火と道具を巧みに扱い、動植物の習性や自然現象に通じることは、かつて私たち人間が生きるうえで欠かすことのできない基礎技術でした。

アウトドアライフはレジャーという言葉で単純化されがちですが、現代の私たちが「動物としての人間」の感覚を忘れないための、大切な学びの機会でもあります。

また、昔の人たちは、自然界には万にひとつの無駄もないととらえ、エネルギーから衣食住まであらゆるものを徹底的に活用してきました。

たとえば玄米をとったあとの籾がらは、断熱材や緩衝材、ごはんを炊く燃料になり、燃やしたあとに残る灰は純白のうわぐすりとして陶器を彩りました。さまざまな場面に、このような循環の発想が取り入れられていました。

人間関係の中にもさまざま知恵がありました。けっして多数決をとらず全員が納得するまで議論を交わすムラの寄り合いの会議手法は、時間こそかかりますが地域にしこりを残さない優れた合意形成法でした。

猫の手も借りたい農繁期には、交代で労力を提供しあう「結い」というしくみがありました。みんなでお金を積み立てて順番に遣う「講」は、庶民版の金融であり、コミュニティーにおける互助会のような要素を持っていました。

東日本大震災と、それによって露呈した科学技術(原子力)の限界をまざまざと見て、近代的ではないとして打ち捨てられてきた価値観や知恵の出番が、再びやってきたのではないかという思いを強くしています。

緑蔭風車&かくまつとむは、微力ながらも、新しい社会システムの実現を考えるヒントとなるさまざまな情報を発信し続けたいと思います。

雑誌の記者、インタビュアーとして。書籍やネット媒体のプランナーとして。あるいは各種学校・ワークショップ・検討委員会の講師やアドバイザーとして。

緑蔭を吹き抜けるそよ風のように、誰もが心地よく感じる社会を作る。情報発信を通じて、そんなお手伝いをしていきたいと思います。